ディープフィールド
ディープフィールドは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が実際に撮った銀河の中を、奥へ奥へと飛んでいくページです。ここに浮かんでいる点はどれも実在の観測対象で、想像で置いたものは一つもありません。
奥へ進むことは、過去へ進むことです。回廊の入口はいまの宇宙、いちばん奥は宇宙が生まれて3億年ほどの頃。その距離を、自分の操縦でも、案内つきの自動飛行でも渡れます。
この回廊は何でできているか
ここに並ぶ銀河は、JWSTの深宇宙探査プログラムJADESが観測した実在の天体です。奥行きの軸は赤方偏移(z)——光が引き伸ばされた度合いで、大きいほど遠く、そして昔です。いちばん奥にいるのはz = 14.18の銀河で、その光は宇宙誕生から約3億年の時点で出発しています。
正直に言っておくべきことが一つあります。横方向の広がりは実際の見かけの間隔ではありません。サーベイの視野は奥へ行くほど実際には広がるのですが、それをそのまま描くと手前がすかすかになるので、一定の太さの縦坑として描いています。奥行きは本物、横は読みやすさのための誇張です。
飛んでいる間、画面の左下でルックバック・宇宙年齢・赤方偏移の3つが動き続けます。何億年前を通過中で、そのとき宇宙が何歳だったのかが、常に出ています。
自分で飛ぶ
ホイールを奥へ回すと前へ進みます。ズームではなく前進です——スマートフォンではピンチを開くと同じように進みます。ドラッグで視線を回せますが、回せる範囲は左右40度、上下35度までです。ここは回廊なので、うしろを振り返ることはできません。
同じ深さのまま横へずれたいときは、Shiftを押しながらドラッグします。スマートフォンなら2本指のドラッグ、マウスなら右ドラッグでも同じです。手前の銀河を回り込んで、その向こうを覗くのに使います。
キーボードのほうが細かく効きます。WとS(または↑と↓)で前後、AとD(または←と→)で左右、RとFで上下。I・J・K・Lは機体を動かさずに視線だけを振ります。視野は+と−で変えられます。トラックパッドのピンチやCtrlを押しながらのホイールも視野の操作になるので、「進もうとしたのに画角が変わった」ときはCtrlを離してください。

回廊のなかほど、z = 2あたり。左下の3つの数字が、いま何億年前を通過中かを示している。
案内に任せて、130億年を渡る
初めてなら、画面下の再生を押してみてください。約40秒かけて、回廊の入口からいちばん奥まで自動で飛びます。途中の節目で短い解説が出ます——およそ79億年前は太陽系が生まれるより前、およそ129億年前は宇宙の霧が晴れたばかりの頃、およそ133億年前で宇宙年齢はまだ5億年。それぞれ6秒ほど表示されて消えます。
終点はJADES-GS-z14-0、z = 14.18の銀河です。到着すると自動で選択され、右のパネルにその素性が出ます。
途中で自分で操縦したくなったら、何か操作するだけで構いません。ドラッグでもホイールでもキーでも、触った瞬間に自動飛行は終わり、そこからあなたの操縦になります。一時停止で止めることもできます。
奥行き(時間)スクラバをドラッグすれば、好きな深さへ直接跳べます。目盛りはz = 0・1・2・5・10・14。トラックの色は時代を表していて、手前の青からz = 6付近の赤へと変わります——これはスクラバの色であって、銀河そのものの色ではありません。◀現在へを押すと、いまの宇宙のほうへ引き返します。なお一度でも奥へ進んだあとの再生ボタンは続きから再生という表示になりますが、いちばん奥まで行ったあとにこれを押すと、続きではなく最初から飛び直します。
銀河を選んで、素性を読む
銀河をクリック(タップ)すると選択され、選択した天体にその素性が出ます。JADES IDはカタログ上の番号、赤方偏移はその天体のz、ルックバック時間はその光が旅した年月、当時の宇宙年齢はその光が出たとき宇宙が何歳だったかです。何もないところをクリックすれば選択は解けます。
zの読み方には2種類あります。分光確定のバッジが付いていれば、スペクトルを取って直接測った値です。バッジがなければ測光——複数の色での明るさの比から推定した値で、そのときは1.10〜1.36のような幅が併記されます。この幅は誤差ではなく、そこに入っている可能性が68%という区間です。手前の明るい銀河ほど分光が済んでいて、奥へ行くほど推定値が増えていきます。カタログを読むというのは、そういうことです。
ラベル表示のチェックを外すと、天体名の表示だけを消せます。飛んでいる景色そのものを見たいときに使ってください。

分光で確定した赤方偏移を持つ銀河。バッジのないものは測光による推定で、68%の区間が併記される。