太陽系オーラリー
太陽系オーラリーは、太陽から冥王星までを実際の暦計算で動かす3Dの模型です。時間を進めれば、それぞれの天体は本当の軌道運動どおりに位置を変えます。惑星が一列に並ぶ日を探すことも、ハレー彗星が内側へ落ちてくるところを眺めることもできます。
この章では、カメラの動かし方、時間の操作、24の天体から選ぶフォーカス、地上の空へ渡すリンク、そして大きさの誇張を切るとどうなるかを扱います。
模型を回してのぞきこむ
開いた直後のカメラは、太陽を見下ろす少し斜め上にいます。真横からでないのには理由があって、軌道面の高さに座ると太陽系はただの一本の線になってしまうからです。
ドラッグでカメラが注視している天体のまわりを回り、ホイール(スマートフォンではピンチ)で近づいたり離れたりします。矢印キーやWASDでも回せますし、+と−でも寄れます。
天体をダブルクリック(ダブルタップ)すると、カメラがその天体へ移ります。1回のクリックで反応するのはラベルのほうで、球そのものは反応しません——1回のクリックはドラッグの最初の半分でもあるので、掠っただけの惑星にカメラを持っていかれないようにしてあります。裏を返すと、ラベル表示を切っているときは、クリックでフォーカスを移せるのはダブルクリックだけになります。
時間を動かす
画面左下の日時が、いま模型が示している瞬間です。既定では現在の時刻に張り付いていて、惑星は実際の位置にいます。
面白くなるのは速度のスライダーを右へ動かしてからです。1秒あたり1秒から、1分・1時間・1日・1ヶ月・1年まで、対数で上がっていきます。1日/秒にすると水星が忙しく回りはじめ、1ヶ月/秒では内惑星が絡み合い、1年/秒まで上げると木星と土星が巡り、外側の氷の天体だけがほとんど動かなくなります。速度は大きさだけを持っていて、向きは逆行が受け持ちます。押すと同じ速さで時間が巻き戻ります。もう一度押せば元に戻ります。
再生と一時停止で流れを止められます。現在時刻へを押すと今この瞬間に戻りますが、このボタンは速度も1秒/秒に戻し、逆行も解除して、再生を始めます。せっかく合わせた速さも一緒に消えるので、そこだけ気をつけてください。
日時の下に要素元期という行があります。太陽から冥王星までを見ているあいだは暦計算(要素なし)と出ます——これらは高精度の暦から直接計算していて、近似のための軌道要素を使っていないという意味です。彗星や準惑星にフォーカスを移すと、ここに日付が出ます。その天体の軌道要素が、いつの観測に合わせたものかです。ハレー彗星なら1968年。元期から遠い日付ほど、描かれる位置は実際からずれていきます。時間を1万年動かして彗星の位置を語ることは、この模型にはできません。
24の天体から選ぶ
注視天体を選ぶのリストには、太陽と惑星・準惑星・彗星・恒星間天体の4つの群に分かれて24天体が並びます。彗星にはハレー彗星やチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星が、恒星間天体には3I/アトラスが入っています。
選ぶとカメラがその天体へ移り、1〜2秒かけて着きます。近くの天体なら素早く、海王星のような遠い相手なら少し長くかかります。移動している間は操作を受け付けないので、着いてから動かしてください。到着すると、その天体の軌道線が明るく浮かび上がります。
HUDの太陽からの距離が、その天体の現在の距離です。時間を進めながらこの数字を見ていると、彗星が内側へ落ちて折り返していく様子が数字としても追えます。
準惑星の4つ——ケレス・ハウメア・マケマケ・エリス——にフォーカスすると、HUDに表面の模様は想像図ですという一行が出ます。実写の地図が存在しない天体なので、模様のほうは絵です。位置と軌道は本物です。
模型から、実際の空へ
太陽と、水星から海王星までの惑星にフォーカスしているときは、この時刻の空でこの天体を見るというリンクが出ます。押すと星空のページへ移り、いま模型が示していた瞬間のまま、あなたの観測地点からその天体の方向へカメラが向きます。
模型の上では木星と土星が近づいて見える——では地上からはどう見えるのか。それを1回の操作で確かめられます。逆に、地球や冥王星、彗星にはこのリンクは出ません。地球は「そこから見る」側であり、残りは星空ページが名指しで狙える相手ではないからです。何も起きないボタンを置くよりは、出さないほうが正直だという判断です。
誇張を外して、本当の大きさを見る
この模型のいちばん大事な操作は、たぶん誇張表示のチェックを外すことです。
既定では天体の大きさは見やすいように誇張してあります——そうしないと何も見えないからです。チェックを外すと、大きさが実際の比率へ縮んでいきます。惑星は次々と小さくなり、最後にはどれも点になります。それでも完全には消えないよう、最小でも数ピクセルの点として描かれ、ラベルも軌道線も残るので、迷子にはなりません。実際の縮尺では、太陽系の全天体は1 AU先の1円玉よりずっと小さな点です。太陽系とは、ほとんど何もない空間のことなのだと、この操作が示します。
同じ並びのラベル表示と軌道線表示も、それぞれ独立に切り替えられます。軌道線を消せば天体だけの配置が、ラベルを消せば模型そのものの姿が残ります。ただしラベルを消すと、1回のクリックでフォーカスを移す操作も一緒に効かなくなることは覚えておいてください。
いい構図になったら、この視点を共有でURLをコピーできます。いまの時刻、速度、フォーカス、カメラの向きと距離、そして誇張の具合まで入ります。

既定の表示。天体の大きさは見やすいように誇張してある。

同じ視点で誇張を外したところ。惑星はどれも点になる——太陽系はほとんど何もない空間でできている。