恒星間フライト

恒星間フライトは、星を天球に貼りつけずに、視差から求めた実際の距離に置いて描く3Dのページです。星座線は星そのものを結んでいるので、地球から離れれば線はねじれ、見慣れた形は崩れていきます。演出ではなく、幾何がそうなっているだけです。

開いた直後に見えているのは、いつも地球から見上げている星空そのものです。そこから飛び出し、シリウスやベテルギウスのそばまで行って、その星から見える夜空を眺められます。明るさもカメラの位置から計算しているので、離れるほど太陽は暗い星になり、やがて見えなくなります。

開くには、画面右上の「メニュー」ボタンから「恒星間フライト」を選びます。

※ 画面写真は開発中のバージョンのものです。実際の表示と細部が異なる場合があります。

飛ぶ

ドラッグで視線を回し、マウスホイール(スマートフォンではピンチ)で前へ進みます。最初にホイールを回した瞬間、あなたは地球を離れて自由飛行に移ります——そこから星座が崩れ始めます。Ctrlを押しながらのホイール、または − と + のキーで、視野の広さを15度から110度まで変えられます。パネルの視野スライダーも同じ値を動かしていて、Ctrlキーもホイールもない指だけの操作では、これが視野を変える唯一の手段です。

キーボードでも飛べます。WとSは押している間ずっと加速する前進・後退で、遠くの星まで一気に詰めたいときに使います。AとDで左右へ、RとFで上下へ平行移動し、I・J・K・Lは機体を動かさずに視線だけを振ります。

速さは基本的に距離まかせで構いません。近くに何かがあるときはゆっくり、恒星間ではけた違いに速く——カメラが勝手に尺度を切り替えます。それでも速すぎる・遅すぎると感じたら、パネルの移動速度スライダーで全体を0.25倍から4倍まで伸び縮みさせてください。距離に応じた自動調整はそのまま残るので、「近くではゆっくり」の感覚は失われません(この倍率だけは共有リンクには入らず、ページを離れると1倍に戻ります)。

星をクリック(タップ)すると選択され、画面左下にその星のカードが出ます。ダブルクリック(ダブルタップ)すれば、その星まで飛んでいきます。何もない空をクリックすると選択は解けます。カードの下のHUDには、いまのモード・地球からの距離・速度・視野が出ています。どこまで行っても、地球へ戻るを押せば最初の空に帰ってこられます。

スマートフォンでは、画面の下に前へ・後への推進ボタンが常に出ています。ピンチには「押し続ける」状態がないので、加速はこのボタンで行ってください。説明と設定のパネルはボトムシートになっていて、情報を押すと開きます(開いている間、推進ボタンは隠れます)。速度と視野のスライダーも、このパネルの中にあります。

恒星間フライトを開いた直後の画面。地球から見たままの空でオリオン座の方向を見ており、左下にHUDと地球へ戻るボタン、右下に説明パネルがある。
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到着直後の空。まだ一歩も動いていないので、地球から見上げるのと同じ星座が並ぶ。

スマートフォンでの恒星間フライト。画面下に前へ・後への推進ボタン、右下に情報パネルを開くボタンがある。
2スマートフォン表示

スマートフォンの画面。ピンチには押し続ける状態がないので、加速は画面下の推進ボタンが受け持つ。

三つのモード

カメラの状態は三つあります。自由飛行は、どこへでも行ける普通の飛行です。周回は選んだ星のまわりを回っている状態で、ドラッグするとその星を中心に回り込み、ホイールで距離を詰められます。その星から見た空は、その星の位置に立って夜空を見上げている状態です。

切り替えは操作そのもので起こります。星のカードのこの星へ飛ぶ、またはダブルクリックで周回へ。この星から夜空を見るで、その星から見た空へ。周回中やその星から見た空でホイールを回して前へ出れば、そのまま自由飛行に戻ります。いまどの状態にいるかは、HUDのモードの行が示しています。

ページを開いた直後は、地球から見上げる空を映した「その星から見た空」の状態です。地球へ戻るボタンは、いつでもこの状態に戻します。

星を選ぶ・星を探す

星を選ぶと、地球からの距離・現在地からの距離・ここでの見かけの等級・絶対等級が表示されます。見かけの等級はカメラの位置から毎フレーム計算した値です。近づけば明るく、離れれば暗くなる——太陽もその例外ではありません。

距離がGaiaの視差によるものでない星には、その旨の一行が添えられます。これは「精度が低い」ではなく「出典が違う」という意味で、明るすぎてGaiaでは測れないシリウスにも付きます。

パネルの有名な星へには、シリウスからバーナード星まで30の星が並んでいます。押すとその星まで飛び、周回に入ります。プロキシマ・ケンタウリのように暗い星は、全カタログの読み込みが終わるまで反応しないことがあります。

30では足りないときは、探してください。画面左下の虫めがねボタン(パネルの有名な星への上にも同じものがあります)を押すか、キーボードの / キーを叩くと、星を検索が開きます。名前は日本語でも英語でも構いません。「ベテルギウス」でも「べてるぎうす」でも「Betelgeuse」でも同じ星に届きますし、α Oriのようなバイエル符号やHIP 27989のような番号でも引けます。名前や符号を持つ約1,850の星が対象です。

結果の行でEnterを押すと、その星まで飛んで周回に入ります。Shiftを押しながらEnterなら、その星の上に立って夜空を見上げるところまで一度に行きます(クリックとシフト+クリックも同じです)。読み込み中と出ている行は、まだ全カタログが届いていない暗い星です——数秒待てば押せるようになります。

カードの一番下にはこの星を空で見るがあります。押すとプラネタリウムに移り、あなたのいまの空で、その星の方向にカメラが向きます。地平線の下にあれば下を向いたまま止まり、その星のカードが次に昇る時刻を教えます——見えないことも、その星について知るべきことのひとつです。逆向きもあります。空で星を選んだときのカードには、この星へ3Dで飛ぶが出ていて、ここへ戻ってきます。

星座線・星座名・星の名前は、パネルのチェックボックスで切り替えられます。星座名は地球の近くを離れると意味を失うので、はじめから消してあります。

ベテルギウスの位置から見た夜空。左下に選択中の星のカードと星を検索ボタンがあり、右のパネルには有名な星へのリストと共有ボタンが並んでいる。
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ベテルギウス(498光年)から見た夜空。線は同じ星を結んでいるのに、星座の形はもう別物になっている。

星座を横から見る

パネルの星座を横から見るには、四つの視点が並んでいます。押すと、その星座が立体として読める場所までカメラが移動します。星を選んで飛ぶのとは違って、行き先は星ではなく場所で、向きと視野まで含めて構図が決まっています。到着すると、その星座の線だけが明るく浮かび上がります。

オリオン座を横からは、このページの主張そのものです。地球から見る三つ星は3度のあいだに等間隔で並んでいますが、地球から150 pc横へ出ると、アルニタクとミンタカ(226 pcと212 pc)は寄り添ったまま、アルニラムだけが606 pcの彼方に取り残されて20度離れます。砂時計の形も、10度ほどの結び目に潰れています。

残りの三つは、それぞれ別のことを見せます。北斗七星の奥行きでは、七つのうち五つが同じ運動星団で、ドゥーベとアルカイドだけが通りすがりだったことが、わずか30 pc横へ出ただけで分かります。カシオペヤ座のWをほどくは、17 pcのカフから168 pcのγ星まで十倍の奥行きを持つWが、60 pc横から見ると距離順の一直線にほどける様子です——そしてカフは2.3等から5.1等へ落ちます。明るい星だったのではなく、近い星だっただけだからです。南十字は十字ではないは名前のとおりで、ガクルックスだけが27 pcと手前にあるため縦棒が振れ、二本の棒がほとんど平行に重なります。

地球から遠い視点ほど、星座線は薄く描かれます——線は「ある一点から見たときの形」でしかないので、そこから離れるほど主張を弱めるようにしてあります。150 pc先のオリオン座がいちばん暗いのはそのためで、不具合ではありません。明るくなった星座線は、強調を解除で元に戻せます。強調は共有リンクにも乗るので、「ここからカシオペヤ座を見て」が一本のURLで渡せます。視点ボタンのすぐ下には移動速度と視野のスライダーがあり、着いたあと構図を少し広げたり、ゆっくり回り込んだりするのに使えます。四つの視点はどれも自由飛行で終わるので、そのまま飛び続けて構いません。

北斗七星を30 pc横から見た視点。五つの星が一団に固まり、ドゥーベとアルカイドだけが離れて、おおぐま座の線が強調表示されている。右のパネルには四つの星座視点ボタン、強調を解除、移動速度と視野のスライダーが並ぶ。
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北斗七星の奥行き。横に30 pcずれただけで柄杓は歪むが、まわりの空はまだほとんど地球から見たままなので、その分だけ変化がよくわかる。

時代を動かす、案内に任せる

パネルの時代スライダーは、星々を実測の速度で動かします。中央が現在(西暦2000年)で、左右へそれぞれ10万年。動かすと、近い星ほど大きく空を流れ、星座は形を崩していきます。北斗七星でやってみてください——10万年後のひしゃくは、もうひしゃくではありません。現在に戻すで、いつでも今日の空に帰れます。ここで見ているのは予測ではなく、測られた固有運動と視線速度をまっすぐ延ばしただけのものです。10万年で止めてあるのは、それ以上では銀河の重力が軌道を曲げてしまい、直線が嘘になるからです。ただし、視線速度がまだ測られていない星が約11.5%あります。それらは横向きにしか動かず、近づきも遠ざかりもしません。速度の記録が無い21個は、その場に留まったままです。星のカードは、その星がどちらに当たるかを教えてくれます。

何を見ればいいか分からないときは、ツアーを見るを押してください。約2分、六つの章を自動で飛びます——地球から出て、オリオン座を横から見て、ベテルギウスの上に立ち、北斗七星を回り込み、そこで時代を10万年ずつ前後に動かして、地球へ帰ってきます。画面の下に一章ずつの短い解説が出ます。スキップで次の章へ、終了でやめられますし、それを押さなくても、ドラッグでもホイールでもキーでも、何か操作した瞬間にツアーは終わってあなたの操縦に戻ります。閉じ込められる心配はいりません。

地球から見た空で北斗七星の方向を見た画面。時代スライダーが+100,000年に振り切れており、おおぐま座の線は崩れて、ドゥーベとメラクが柄杓の形から大きく外れている。右のパネルに時代スライダーと現在に戻すボタン、左下のHUDに時代の行がある。
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10万年後の北斗七星。視点は地球のまま、動いたのは星のほうで、柄杓はもう柄杓ではない。

注記と共有

星間減光は無視しています。実際には星間ガスと塵が光を吸収するので、とくに天の川の方向では、遠くの星はここに描かれているより暗く、赤いはずです。

カタログの完全性にも限りがあります。地球の近くでは肉眼で見える6.5等まで揃っていますが、遠くへ行くほど「そこからなら見えるはずなのにカタログに無い」星が増えます。パネルの注記は、いまの視点でその半径が何pcなのかを表示し続けます。遠い星の空が寂しく見えるのは、描画の不具合ではありません。

読み込み直後は約3.4万星の軽量カタログで描かれ、通信が落ち着いてから約12万星の全カタログに切り替わります。眺めているうちに暗い星がふっと増えるのは、そのためです。

この視点を共有を押すと、いまの位置・向き・視野・モード・選択中の星・表示の切り替え・強調中の星座、そして時代スライダーの値を含むURLがコピーされます。受け取った人は、まったく同じ視点で——星座を強調したまま、10万年後の空なら10万年後のまま——ページを開きます。